もう随分前になるのですが、滝沢修氏著の
『海外生活10年目、カナダ移住は大正解?』という本を
読んだので、アメリカとの共通点などを書きたいと思います。
カナダ移住は大正解?―海外生活10年目 (世界で活躍する日本人)
なお、ゼロベースで現在日本から北米に移住をしたい方は、
アメリカよりもカナダの方がハードルが低いです。
アメリカはグリーンカードと呼ばれる永住権を取るのが結構難しいですが、
カナダでメープルカードと呼ばれる永住権を取るのはアメリカに比べて簡単なようです。
本の中で著者は「「世間の目」がない世界」についてふれています。
「日本では、出身地はもとより、卒業した学校や、所属している会社の規模などにより、いろいろなところで制約を受けます。本人は全く意に介していないにも関わらず、世間が興味本位で勝手な格付けをします。いわゆる世間の目というものですが、・・・(後略)」
しかし、カナダでは
「カナダには、日本のような世間の目がないのです。はっきりしているのは、社会の一員であるために、ルールや法律を理解し、遵守している人なのか?ということだけです。」
ということらしいです。
この状態はアメリカ社会も近いです。
アメリカでは人は収入や人種などが様々でみんなが違う分、
日本人のように所属している会社や行った学校などの少しの差を見つけて、
お互いにどちらが上か下かといったことを格付けしあう習慣は基本的にはありません。
まあ、実はアメリカ社会でも中流階級のかなり豊かな層の
人たちは、周りの人たちの生活レベルに合わせて服装を整えたり、
子供のバースデーパーティーやプレゼントを必要以上に豪快にしたりと
いったことがあるので、完全に世間の目、がないわけではないですが、
世間の目よりも、自分なりにあるべき姿を考えながら
行動できる人が多いのも事実です。
そして、もちろん世間の目を気にしない人も実際多いです。
僕自身も先日の出張でハーバード大学やマサチューセツ工科大学に
勤めている人たちと色々と話をしましたが、全く上から目線で来る人は
いませんでした。
この本を読む限り、また、アメリカに住んでいるカナダ人の友人の
話を聞く限り、カナダはアメリカよりももっとその辺が進んでいる、
というかフラットなようです。
アメリカでは以前の人種差別への反省から、人種によって
対応を分けたり、他の人種の人に別の扱いをしたりすることに
非常に敏感なのですが、
カナダではそもそも人種差別の概念がないような感じで、
色々な人種の人たちが交流するのが本当の意味で当たり前に
なっているらしいです。
いずれにせよ、日本の細かい部分を色々と人と比べ、
お互いに優劣をつけ合いながらでないとコミュニケーションが
とれない、という社会は非常に窮屈であると思います。
また、人間関係に関して本の中では
「常日頃から、にこやかにあいさつを交わすのですが、相手のプライベートなスペースには、決して入ろうとしません。この距離感の作り方や間合いの取り方がとても上手で感心させられます。」
と述べられていますが、これもアメリカに近いですね。
この距離感が日本人には結構馴染み辛いものがあって、
結構にこやかに仲良くなったとしても、
本当にお互いのプライベートに入り込もうとしないので、
本当に仲良くなってる感じがしないケースが多いんです。
逆にいうとアメリカ人(多分カナダ人も)はお互いの懐に飛び込んで、
プライベートも含めて仲良くなるのが下手なんです。
そういう理由もあって、アメリカ人(多分カナダ人も)は
とても家族と仲よくするんだと思います。
アジア人は日本も中国も韓国も結構、人と距離が近くて
いつも一緒にいたりとかしますし、
ヨーロッパ人なんかは、一度打ち解けると本当に仲よく
なれるという話しを聞きますが、
(実感としてロシア人とかは結構そうだと思いました。)
アメリカ人(多分カナダ人も)は、初対面でも気さくに
家族の話しなんかをするのですが、すごく仲よくなるのは下手
という感じです。
人間関係の距離感は文化によってそこそこ違うので、
異文化の中では慣れるのに時間がかかると思います。
ただ、日本の人間関係が面倒臭すぎると感じているなら、
アメリカ(多分カナダも)の人間関係は結構ドライでいいと思いますよ。
日本が息苦しいと感じているなら、アメリカやカナダの方があっている人も
多いと思いますので、いきなり移住とまではいかなくても、
一旦日本脱出を考えてみてください!
一度日本を離れると、別の視点から日本を見ることができ、
良い部分、悪い部分を客観視できるようになるのでオススメです。
カナダ移住は大正解?―海外生活10年目 (世界で活躍する日本人)
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