アメリカで仕事や学業をしていて、難しいのが女性に対する敬称や呼びかけ方です。
アメリカでは多くの場合はファーストネーム(下の名前)で呼び合うので、日常会話ではファーストネームで呼んでおけば問題ないことが多いですが、先生に話す際や、仕事で人と接する時には必ずしもそういう訳にはいきません。
特に紛らわしいのが女性に対する敬称であるMs., Mrs., Miss(ミズ、ミセス、ミス)の使い分け。適当に使ってしまいそうですが、 それぞれに相手の女性の状況に応じて使い分けをする必要があるので、ここではその使い分け方を解説していきます。
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女性の敬称Ms., Mrs, そして Miss
Ms.の使い方
Ms. の読み方は「ミズ」です。この呼び方は結婚している女性、していない女性両方に使うことができます。そのため、相手が既婚かどうか分からない場合にはMs.を使うようにしましょう。
Mrs.の使いかた
Mrs.は「ミセス」と読みます。これは結婚している女性に対して使います。ただし、結婚をしている女性でもMs.(ミズ)と呼ばれることを好む女性もいます。逆に自分の結婚に誇りを持っている人などはMrs.と呼ばれることを好む人もいます。
Missの使い方
Missは「ミス」と読みます。これは結婚していない女性に呼びかけるときに使います。
番外編:Dr.
アメリカでは女性でも大学院の博士課程まで修了している人もたくさんいます。博士号という学位は英語圏ではdoctorate degreeと呼ばれ、博士号を取得した人はDr. (ドクター)と呼ばれます。
相手が女性であろうと博士号を持っている人に対しては、苗字にDr.をつけて呼びかけるのが一般的です。
もちろん、博士号を持っている人でもファーストネーム(下の名前)で呼んでほしいと考えている人もいます。逆に、「Dr.」をつけて呼ばれたいと考えている人もいます。
例えば、プロフェッショナルな仕事環境において、30歳前後の若い女性などは、周りから舐められないためにも、博士号を持っている人はDr.と呼ばれることを好む人が多いです。
またこれまで見てきたMs., Mrs, Miss, そしてDr.はすべて苗字の前につけます。例えば、Mary Maxwellさんであれば、Ms. Maxwell などと呼びます。
番外編2:南部の幼稚園ではMissを使うことが多い
Missは通常、結婚していない女性に利用しますが、アメリカ南部の地域の幼稚園では、子供達が女性の先生に対して呼びかけるときは、なぜか「Miss」+「ファーストネーム」を使うことが多いです。おそらく、奴隷制度の時代に黒人のメイドが、白人の女性主人をMissナントカと呼んでいた名残と思われます。
ちなみに、アメリカでの「南部」(South)とは、バージニア州、ケンタッキー州より南の地域、西はテキサスまでを指します。
相手の名前が分からないときなど
女性に対し相手の名前が分からなくても丁寧に呼びかけたいときはMa’amを使います。「マァーム」に近い読み方をします。(母音が日本語にない発音なので、これは別の機会に解説します。)
例えば、女性が目の前でハンカチを落として「すみません!そこのあなた!」と呼びかけたいときは”Excuse me, ma’am!”と呼びかければ振り向いてもらえます。
結局、相手を何と呼べばいいのか?
さて、女性に呼びかける際に、相手が結婚しているか?博士号を持っているか?また、どう呼ばれたいと考えているのか?によって呼び方が変わることをご紹介しました。
しかし、いきなり結婚しているか?学歴は?などと聞くのも失礼ですし、結局なんと呼べば良いのでしょうか?
相手を何と呼べばよいか分からない場合は“How should I call you?”(なんと呼べばよいでしょうか?)と聞いてしまって大丈夫です。
それによって、例えば相手が”Call me Dr. Prosper.”などと言ってくれれば、「この人は博士号を持っている人なんだ。」などと相手の背景や状況がわかる場合もあるので、その後のコミュニケーションを取る上でも円滑になります。
自己紹介の仕方
逆に、自己紹介の際、自分がどう自己紹介をするかは、自分をどう呼んでほしいかの意思表示になります。
例えば、”I am Hanako.” と自己紹介をすれば、通常はHanakoと呼んでもらえます。
また、”I am Hanako Yamada.”などとフルネームで自己紹介をするとHanakoと呼ばれることが多いですが、Ms.Yamadaと呼ばれることもあります。フルネームで自己紹介すると相手にとってなんて呼べば良いのかわからないので、その後に”You can call me Hanako.”などと言って、なんと呼んで欲しいかの意思表示をするとコミュニケーションがスムーズです。
次に、”I am Ms. Yamada.”といったように、苗字で自己紹介をした場合、 「Ms. Yamadaと呼んでください。」と言っているのと同じです。
これは日本人からすると違和感のあることかもしれませんが、アメリカでは一般的なことです。
自己紹介の時に相手に自分を呼んで欲しいように自分を紹介するのが礼儀です。とくに自分が相手の上にたつ先生の立場の時などDr.やMr. / Ms.と呼ばれた方が良い場合には、自己紹介の時に自分の名前や苗字の前に敬称をつけましょう。
このようにアメリカ人の英語ネイティブとしっかりと会話をし、人間関係を作るには「アメリカ人の常識」を理解しておく必要があります。
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