知り合いでTOEIC200点台でも英語が喋れる人がいます。
正確に言うと、
英語が流暢に喋れる訳ではないのですが、
必要なことや、会話を楽しむ程度であれば、
問題なくアメリカ人と意思の疎通ができます。
彼は今は60代ですが、30代のときにトヨタ関連の
会社に勤めていた際、会社の命令でアメリカに飛ばされました。
もともと英語が苦手で、会社に言われてTOEICを受けさせられた際の
点数は200点台でした。
しかし、同僚たちではTOEIC800点あってもアメリカ人と会話がまともに出来ない人が多い中、彼の場合、英語力が非常に低くても、アメリカ人や他の国の人たちとまともにコミュニケーションをとることができます。
それはなぜなのでしょうか?
外人に対する恐れがない。
はっきり言って多くの日本人が英語を喋れない一番の理由はこれです。
多くの日本人が英語力自体はそこそこあるのに、別の国の人、特に、白人や黒人などのアジア人以外とコミュニケーションをとる際、何を喋ればいいか分からなくなります。
日本でボビー・オロゴンやボブ・サップの人気が出たのもこれだと思うんですよ。
要するに、彼らのような「何を考えているか」全く分からないガイジンがバカっぽく振る舞うことで、外国人に対する怖さ、劣等感を少しでも消してくれる。
でももちろん、本当はボビーやボブは振舞っているようにバカではありませんし、実際の「ガイジン」さんたちもそうです。
相手も人間です。
実際にアメリカ人などと話すとき、
初めは相手が何を考えているのが分からないかもしれませんが、
相手のことを理解すれば怖さは消えます。
そして怖さがなければ、
多少言語が不自由であっても対等に話すことができ、
相手を理解することができます。
話せる内容を学んでいる。
これも非常に重要です。
例えばTOEICで満点がとれる英語力があったとしても、
普段から
「眠くない?」とか、
「だるくない?」とか、
そんな会話しかしていなければ、
当然、アメリカ人や他の国の人たちと会話をすることができません。
上記のような会話(?)は特に若い人たちで多いのですが、
このような”お互いに共感していることを確かめ合う”ような
”会話”は割と日本特有のものです。
ここまで酷くなくても普段から、
グチや陰口を言いあって共感を得る会話がメインの人や、
ボケとツッコミの文脈の中で、ノリだけで会話している
人は特に、異文化の人と会話をするのは難しいと思います。
逆に、TOEIC200点台の彼の場合は、
普段から日経新聞などで国際情勢をチェックしているので、
先日彼がアメリカに遊びに来た際も、
アメリカ人と今度の大統領選挙の話題で盛り上がっていました。
彼はフットボールも好きなので、
フットボールのことに関してはアメリカ人の言っていることも
全部、分かるようです。
国際的に教養のある大人として仕事をして活躍したり、
言いたいことをしっかりと表現するためには、
文法などの英語力をつけることが重要であることに変わりはありませんが、
それ以前に、日本人、アメリカ人、その他の国の人に関わらず、
コミュニケーションをとって理解を深めるためには、
恐れをなくすこと、そして、話す内容を学び続けることがもっと大切なのです。